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第4章 ずきずき




いかないときかない俺のせいで、

さっきまでにぎやかだった部屋に

気まずい沈黙が流れる。




N「・・・松本くん、悪いけどLINEで送って。
何組かだけわかればいいから。」



M「わかった。じゃあ雅紀、いくぞ 。」



A「 え、え?待ってよ、
ほんとににのちゃんおいてくの?!」



M「だっていかないっつってんだからいいだろ。
・・・その代わり翔くんもおいてく。
翔くん、にのと仲良くなりたいなら、
ここでふたりでお話してなよ?」



N「 はぁ?!!ちょっ!」




戸惑う相葉くんを強引に引っ張り、

ごゆっくり♡とさわやかな笑顔を残して

去っていった松本くん。




パタン、と非情な音をたて、

閉まったドアを呆然とみつめる俺と翔くん。




N (・・・どうしよう。)





逃げようにもここは俺の部屋だ。

いまから走ってふたりを追いかけようか。



ぐるぐるとまとまらない頭を

フル回転させていると

それまで立ったままだった翔くんが、

「ほんっっっとーにごめんっ!!!」

と言うが先か、ガバッと土下座をした。




えええ?!!!




N「ちょっ!なに!やめて!顔あげて! 」




わぁわぁと頭を上げさせようとする俺と

土下座する翔くんの攻防が繰り広げられること数分。

ぜぇぜぇと息をしながらようやく向き合って座る。





S「あの、…信じてもらえないかもしれないけど
あの時、失礼なこと言ったって、
何度も謝りたいってずっと思ってたんだ…
あの後クラスにも何回か行ったんだけど…
友達の目とか気にしてるうちに、
何回もタイミング逃して…
時間経ったらまた謝りづらくなっちゃって…」



N「・・・・・。」



S「ほんとに最初は、友達になりたくて、
その、話しかけたんだけど…」



N「…話してるうちに気持ち悪い、
オカマだって気づいたの?」



S「違うっ!あれは… 」



N「…なんだよ。 」



S「その…。」



N「・・・。」




またもしばしの沈黙。深呼吸した翔くんが、

意を決したかのように、ばっと顔をあげた。








S「 …ひ、一目惚れ、で。」









・・・・・・・はい?




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