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第25章 ひとひら
#N
A「じゃ。行ってきます。 」
N「行ってらっしゃい。頑張ってね。」
A「くふふ、今日は調整だけだってば。 」
12月23日。
いよいよまーくんが待ちに待った
ウィンターカップの幕開けだ。
とは言っても、ウチの高校は一回戦シードで
明日が初戦。
今日は開会式と明日の対戦相手の試合を観たら
調整程度の練習をして解散らしい。
N「…ほんとにいいの?大切な初戦の前日に。」
A「いーの!母ちゃんも楽しみにしてたし!
4時頃には駅迎えに行けるはずだから!
待っててね。 」
N「ん、わかった。連絡待ってる。」
そう、そんな大事な日の前日だけど、
今日は相葉くんの実家に
お泊まりすることになっている。
ウィンターカップの会場が、
学校よりも相葉くんの実家に近いこともあって、
大会期間中は実家から直接通う、
なんてことは聞いてたんだけど…
"どうせならにのちゃんもうちから通えば?
応援来てくれるんでしょ??"
いいこと思いついた!みたいな
キラキラした顔で誘われ、
俺も俺でほいほいと誘いにのり、
お誕生日お泊りデートって流れに。
ただ、流石に大会期間中ずっとっていうのは
気がひけるしね。今日だけ。
N「ふふん♡ふふーん♡」
まーくんを見送り、自分の部屋に向かう。
さてさて、4時までなにしてよっかなー♡
何着てこうかなー♡
S「・・・乙女か(笑)」
N「あら♡翔くん。ご機嫌いかが♡」
S「お前のご機嫌はたいそう良さそうだな(笑)
明日お前何時に行くの?」
N「俺は相葉くんとお母さんと一緒だから〜
8時には会場入りかな?
翔くん、明日会場で待ってるからね♡ 」
S「嫁かって。ハイハイ(笑)
誕生日プレゼントは?何にしたの?」
N「ひーみーつー♡ 」
S「別にたいして聞きたくねーけどな!」
N「んふ。ほいじゃ、明日ね♡ 」
秘密なんて言って、実はまーくんのプレゼント
まだ買ってないだけなんだけどね。
待ち合わせの4時まで時間があるから
大丈夫だよね。