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第27章 しんしん
初戦を危なげなく勝利したまーくんたち。
ウィンターカップは1日1試合。
勝ち上がれば翌日、また勝ち上がれば翌日、
と試合が続いて行く。
ベスト8まで勝ち上がる頃には、
すっかり俺も翔ちゃんも
ギャラリーのレギュラーメンバーとなっていた。
相「にのちゃん、おにぎりどれがいい?」
N「今日はおかかにしようかなー、
あ、果歩さん(←相葉ママ)これ何? 」
松「翔くんお茶飲む?」
S「あ、いただきます。」
AM「・・・。 」
N「あ、唐揚げじゃん。うまー」
S「あ、俺も唐揚げがいいー!」
松「翔くん、頬張りすぎ!
ほっぺ弾けちゃいそうよ(笑)
ほーんと二人とも可愛いわねー。」
相「ねー♡」
M「・・・・・女子会?」
A「んー、ちょっと違うような・・・。」
相葉ママも潤くんママもとっても優しい。
その息子たちは
ちょっと面白くないような顔して、
こちらをジト目で見てるけど。
N「ほら、そろそろアップでしょ。
早く行きなさいよ。 」
A「はいはい、言われなくても! 」
お母さんたちの手前、多少冷たくあしらうと
まーくんたちはのそのそと
タオルやらドリンクやらをまとめて
コートに下りる準備を始めた。
A「・・・ぅしっ。 」
荷物をまとめ終え、
ひとり気合いを入れるまーくん。
その後ろ姿から、
こっちにまで緊張が伝わるようなそんな感じ。
いかんせん部活経験もなければ、
全国大会、しかもベスト8の試合なんて、
俺にとってはどれほどの重みを持つものなのか
はかり知れない。
こんな時、なんて声をかけてあげるのが
正解なんだろう・・・。
相「雅紀!」
A「ん?ってイッテェ!!!」
俺がモタモタオロオロしてる間に、相葉ママが突然、
ビターん!とまーくんの背中に平手を張った。
相「いつも通り!リラックスリラックス!」
そう言ってニコッと微笑んだ相葉ママ。
まーくんもキョトンとした顔の後には
ニコッとおんなじ笑顔で
A「うん!いってくる! 」
と微笑んだ。