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第5章 とくとく
明日の誕生日当日、
特に予定がないって言ったら、
おーちゃんが飯でも食いにいくかって
誘ってくれた。
もともとおーちゃんも俺とおなじで
あんまり外に出歩いたりする方じゃないから、
駅前集合であとは適当にって
軽い感じなんだけど、
それでも俺は十分にワクワクしてた。
誕生日に友達どどこかへいくなんて
初めてのことだったし、
それ以前に休日に駅前で待ち合わせだなんて←
にしてもだよ。
あんだけ期待させといてスルーだなんて、
相葉くんの薄情者……
潤くんにきいた話だとバスケ部は
明日朝から練習試合だっていうし……
N「 ・・・・・。」
さっき別れたばかりなのに、
なんだか無性に相葉くんの顔が見たくなった。
帰り支度を整えると玄関ではなく
2階の体育館ギャラリーへと向かった。
真ん中にネットで仕切りをつくった体育館、
バスケ部は入口の半面を使って練習している。
N「(あ、いたいた。)」
熱気で溢れた体育館には
ボールをつく重低音と
キュッキュとバッシュの音の響きが心地好い。
特に後ろめたいことなんてないんだけど、
部活やってる人たちにバレないように
ギャラリーのなるべく隅っこの席に腰かけた。