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第31章 がらがら







#N




N「・・お風呂ありがとう、」



首にかけたタオルでガシガシと髪を拭きながら

部屋に戻れば、おーちゃんは窓際に立てたイーゼルの前に

なにをするでもなく腰かけてた。




O「おかえり、俺も入ってくるわ」




こちらに振り返ったおーちゃんは

どことなく不自然に微笑んで

俺の横をすり抜けて行った。



N「・・・?」



おーちゃんが立ち去ったあとの部屋。

先ほどの着信をもう一度確認しようとスマホを確認すれば

一件のLINEがディスプレイに表示されていた。



N「・・・わざわざ。」








『ごめんね。元気でね。』




ねぇ、それはなんに対してのごめんだったの?




声が聞きたい

話がしたい

あなたの本心が知りたい







でも

震える指でタップした電話は、繋がることはなかった。






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