more & more
第31章 がらがら
#A
ニノちゃんの部屋の前で項垂れていると
今しがたつながらなかった携帯がポケットの中で震えた。
バッと取り出してディスプレイを確認すれば、
そこに映し出されていたのは期待していた名前ではなく。
《 大野智 》の文字。
A「・・・もしもし?」
O「、もしもし?ごめんね、いま大丈夫?」
A「あ、うん・・どしたの?珍しい。 」
いつものふにゃふにゃとした声ではなく、
どことなく硬い声。
普段から電話もLINEも頻繁ではない彼からの連絡に
一瞬身構える。
O「…相葉ちゃんさ、前ににのが熱出して
学校休んだときに、俺が言ったこと覚えてる?」
A「・・・・・、 」
にのちゃんが学校休んだとき・・・
O「『にのを泣かせるようなことを
もしも相葉ちゃんがしたならさ、
その時は俺がもらっちゃうからね』
俺はそう言ったはずだよ」