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第33章 時雨心地





マサ「さ、やるか!」

と手を叩くマサさんが腰を上げ、

またレッスンが再開される。













あっと言う間に開演の1時間前になり、


マサさんは今日の舞台では出番がないらしく、

客席から見てるからな、と微笑んで

シャワールームへと消えていった。




俺はというと衣装も本番のものに着替えさせられ、

またもやマリウスに顔面になにかを塗られていた。

・・・あのときオカダさんが着てたやつだ。



まさか自分が袖を通すことになるなんて。

今日の今日まで思っても見なかった事態に

不思議な感覚が訪れる。




マリウスが離れた隙に

鏡に映る自分をまじまじと眺めていると

後ろからグッと両肩を掴まれ

緊張してるか?と声をかけられた。



N「オ、!?お、お疲れ様です・・・!! 」



鏡に映るその顔は、

舞台上よりで見ていたよりも

いたずらっぽい笑みを浮かべるオカダさん。



オ「おまえいくつ?」


N「じゅうな、、18です。」


オ「お?思ってたより・・・
日本人の歳はほんとわかんないな」



思ってたより?ちょっとひっかかったけど

聞かなかったことにしよう。




オ「頑張れよ。」


N「い"っ!!あ、はい、!がんばります・・・!」



ばしっと俺の背中に張り手をかまし、

颯爽と去っていった憧れの人。






N「び・・・っくりしたぁ〜・・・」




なんなら今が1番心臓バクバクした・・・



戻ってきたマリウスが、

最後の手直しを行い、

めっちゃ可愛いくなったよ♡と言って

そのまま舞台袖へと連れて行かれた。



待ち構えていたジャニーさんが

ほら、お客さんがお待ちだよ、と

舞台袖から隠れて観客席を見せて来れた。




J「さぁ、ショーのスタートだ。」




ブザーの音ともに照明の落ちた暗闇の中に、

ジャニーさんが優しく背中を押して来れた。




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