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第35章 雨露霜雪
#N
12月
どこからともなく流れるクリスマスソングと、
赤や緑や金銀の装飾。
まだ本番ではないものの
普段より浮き足立ってみえる人々。
ジャニーさんに急遽舞台に立たされたあの日を機に、
俺の生活は一変した。
とは言ってもいきなりバンバン舞台にでて
スターになったとかそんなんじゃない。
あの日の舞台で味わった
ゾクゾクしたなんともいえない高揚感が忘れられず、
自ら志願してジャニーさんのとこの練習生として
在籍させてもらうことになった。
自分からやりたい、やらせてください、と頭を下げる俺に
ジャニーさんは、そう言うと思ってたよ、と微笑んだ。
それからの俺の生活は学校と稽古場の往復。
今日はクリスマス公演の配役が発表されるとあって、
ウキウキしながら稽古場へと急いでいた。