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第36章 一陽来復





#A





高校最後のウィンターカップを優勝で飾り、

欲しかった三冠のタイトルを手に入れた。

ずっと迷ってた進路。これも決めた。




そしていま。



A「にのちゃぁ〜ん、ごめんってば・・・」



N『別に・・・怒ってないし。
てかこっちもう1時だから。俺寝るけど。』



A「ごめんごめんごめんってえ〜・・・!! 」




電話口でおそらく唇を尖らせてるであろう彼。

言葉通り怒ってはないんだろうけど

確実に拗ねてるにのちゃん。



ウィンターカップの優勝がきまり、

すぐさまにのちゃんに連絡を入れてた俺。

ただ時間帯的にニューヨークは夜中の時間。



当然にのちゃんはぐっすり夢の中だったようで、

その連絡には気が付かない。

舞い上がって時差を計算してなかった俺が悪い。



ただここまではよし。問題はここから。



祝勝会を兼ねた打ち上げに行き、

盛り上がったところでハメを外し、

スマホを落っことして画面がバキバキに割れて

使いもんにならなくなってしまった。



夜だったこともあり、明日直しにいこう!と

寮に帰ったはいいが、大会の疲れもあり、

次の日の午後までぶっ通しで寝続けてしまった。



そっからダッシュでショップにいって

新しいのと変えてもらいメッセージを開くと、

予想通りにのちゃんからの返信。



丸一日ほど無視してしまってたことになるが、

その無視してしまった内容がよくなかった。




『おめでとう!!本当によかったね!!
高校三冠、すごいよ!!応援行きたかったな〜』


その下には連続で送られてきてたスタンプ。

にのちゃんの興奮が伝わるようなLINE。


うんうん。


連投されたスタンプの山をスクロールして

返信を打とうとすれば、またさらにメッセージがあって。



『それでさ、いまさら確認なんだけど、
まーくん彼女とかいる?』


うん??


その下には「送信を削除しました」の文字。


そこにさらに時間を置いてメッセージ。


『ごめん変なこと聞いて。
返信したくなければ大丈夫です。』



と、ここまでの一連の流れをみて

やばいかも・・・と冷や汗をかき始めた俺。



またもや時差のことなんか忘れて電話して、

色んなことを含めにのちゃんに怒られてる真っ最中だ。



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