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第10章 さらさら
N「相葉くん!待ってってば!」
息を乱し、俺を追いかけてきてくれたにのちゃん。
それは嬉しいんだけど。
A「・・・。」
この心のぐちゃぐちゃを、
そのままにのちゃんにぶつけてしまいそう。
落ち着け、落ち着けと
心で繰り返し、なるべく感情をおさえて
にのちゃんに気になってたことを聞いてみる。
"健センパイのこと好きなの?"
"前に話してた好きな人って、誰?"
俺の質問に黙るにのちゃん。
A「俺には、言えない?」
N「・・・。」
なおもにのちゃんは俯いたままなにも言わない。
あぁ、もうそんな辛そうな顔をしないで。
どうして俺が近くにいると
こんな顔ばかりさせてしまうんだろうか。
笑ってよ、俺をみてよ、
________________俺を好きになってよ。
A「にのちゃん。」
男の俺にこんなことされるなんて
きっとまたにのちゃんを傷つけるかもしれない。
それでも。
A「・・・ごめん。」
やっと気付いた、
にのちゃんへの"好き"を飲み込んで、
そっとその薄い唇にキスをした。