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第10章 さらさら
重なっていた唇を離すと、にのちゃんが
目を見開いたまま固まっている。
A「・・・ごめん。俺、にのちゃんが好き。」
N「な、に言って・・・」
口をぱくぱくとさせ、
言葉にならない、といった様子のにのちゃん。
なんだか急にいたたまれなくなって、
すっと一歩身を引いた。
A「 気持ち悪いよね・・・それににのちゃん好きな人いるって言ったのに・・・。」
N「いや、うそ?・・え、どうしよ?ええ?」
にのちゃんの焦った声。
両手で口元を覆って、上目遣いで俺を見あげてる。
こんなときでも可愛い・・・
けど、終わった・・・。もう色々と。
と、思ったのに。
にのちゃんは一歩距離を詰め、両手を
恐る恐るといった動きで俺の背中にまわし、
きゅっと抱き締めてくれた。
N「お、俺も・・・・相葉君が好き。」
この距離でなければ聞き逃したかもしれない。
N「俺の好きな人、相葉くんなの。」
この至近距離でウルウルの上目遣い・・・!
いやいや、そんなことより!
にのちゃんの好きな人が、俺って・・・・。
A「ほんとに?・・・ほんとにほんと?」
にのちゃんが俺の胸元にぐりぐり顔を擦り寄せて
くふふ、て笑ってる。
久々に俺に笑ってくれた。やばい泣きそう。
A「・・・両想いってこと?」
N「・・・うん。そうみたい。くふふ♡」
にのちゃんへの思いに気が付いて、
すぐにそれが成就して。
まるで夢みたいだ。あー幸せ・・・♡