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第12章 きりきり
#N
部活に入ってない俺の夏休みは
クーラーのきいた図書室で、
希望者向けに開催される夏期講習が中心。
その講習も明後日からお盆休みに入るから、
それに合わせて一旦実家に帰る予定。
父さんも仕事が休みだし、母さんも
お盆くらいゆっくり帰ってきなさいって言ってる。
って言っても俺は御墓参りがすんだら、
すぐにでも寮にもどるつもり。
だって少しでも相葉くんと一緒にいたいんだもん。
そんなだから今日も夏期講習が終わった後、
まっすぐに相葉くんの部屋にやってきたってのに
相葉くんたら部活で疲れてるのかスヤスヤお昼寝中。
N「こんなとこで寝たら風邪引くっての・・・ 」
部屋の中央に置いてあるラグの上で、
自分の腕を枕にして横になっている相葉くん。
ロフトベッドからタオルケットを引っ張り、
相葉くんにかけてあげようとした時に、
明らかに布地とは違うガサっという音がした。
N「ん?・・・なんだこれ?」
ロフトに登り足元の方を探ると
そこには茶色の紙袋。
ロフトからそろりと相葉くんを確認すると
まだ寝息を立てて起きる気配はなさそう。
なるべく音を立てないように気をつけて
その紙袋を開けてみると・・・
N「ぅ・・・え?」
そこには封の切られた避妊具の箱と
気泡の入ったジェルみたいなのが入ったボトル。
ジェルみたいなのはともかくとして・・・。
みなきゃいいのに、その箱の中まで確認すると
中身の個包装が2つばかしなくなっていた。
N「誰かに使ったってこと・・・?」