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第14章 やきもき




#M




他人には言えない秘密を抱えていた。






恋愛対象が男性だということ。






中学の頃、水泳の授業で

上半身裸の同級生の身体にドキドキしたのが最初。






ゲイ、とかホモとか、

言葉としての知識はあったけれど、

自分がそうだと気づいた時は

衝撃、、、というかショックだった。







友達にも、親にもひた隠しにして、

自分はこの先一生、

普通の恋愛なんて出来ないんだ、と思っていた。







入寮初日に翔くんを見たとき、

キレイな人だな、と思った。

ニノとの揉め事のどさくさに紛れて

仲良くなれたら、っていう

下心があったのは否めない。





ニノと翔くんが仲直りしたことでみんなで

一緒にいる時間も増え、どんどん仲良くなっていった。




もうこの頃には翔くんのこと、

好きになってたんだと思う。





ある日、翔くんがニノのことをあまりにも

可愛い可愛いってうるさいから、

冗談のつもりで翔くんソッチなの?てきいてみたんだ。

翔くんからの答えは意外なものだった。



S「 俺、バイだから。可愛いとかキレイに男女の性別はあんま関係ないの。」




爽やかな笑顔であっけらかんと言い放った後、

ひいた?てそのままの顔で聞いてきた。





バイって、両方いけるってやつ?





返事をせずにいる俺の耳元に顔を寄せ、

"お前もじゃねーの?"って問いかけられ、

背筋がゾクッとした。




バッと距離をとった俺に、

翔くんは普通の顔で、あれ?違った?って。





S「俺、わかるんだよ。だいたい。同じタイプの人。」





ずっと、"恥ずかしい"、"間違ってる"

と思ってきた自分の性癖。

ゲイとバイじゃ少し違うのかも知れないけど。

こんなあけすけといってのけるなんて。




M「・・・翔くんは、実際に男の人と付き合ったことあるの?」



S「あるよ、年上のオニイサン♡」




向こうはお遊び程度だったけどね、と笑う翔くんに

ギャップというか、違和感、変な感じ。

こんな優等生風なのに、

中学生の頃は大人びた経験をしてきたみたい。







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