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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第52章 何だ、このグロテスクなやつは?

サッカー部を選んだ理由は、当時人気があったキャプテン翼の影響もあるのだが、仲の良かった連中のほとんどがサッカー部に所属していて、単純にそこを選んだだけだ

小学生の頃に少年野球チームに所属していたのだが、野球部に入ると坊主頭にしなければならないので、思春期に入った僕は坊主頭なんてダセーと思い入部はしなかった

サッカー部では僕はDFもしくは守備的MFのポジションで康司はサイドバックのポジションで実力はかなりのものだった

真面目にやってりゃサッカーの特待生として高校に入れる程の実力を持っていて、初心者の僕なんかより遥かに上手い

だが、コイツはすぐにふざけた事をするので周りからよく怒られていた

ある時練習で、FWとDFの実戦練習をしていた時だ
FWが攻め込み、DFが守ってシュートを打たせないようにする
康司は難なくボールを奪い、ドリブルしながらジャージの下を脱ぎ、フルチンになってグランドを駆け回っていた

「ちょっと何やってんのよ、変態!」

同じグランドで練習していた女子のソフトボール部からキャーキャー言いながら逃げ回っていた、そりゃ誰が見たってそうなるわな

「このバカ!何やってんだお前は!」

先生に捕まり、思いっきりビンタを食らっていた
またある時は試合形式の練習をしていて、いつものように康司はパスカットをして前線に切り込んでいった

康司のドリブルは速く、何人も抜き去っていった
アイツのサッカーセンスは天性のものだろう

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