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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第55章 何ぃ~、痴漢だと?

「学校間に合うのか?」

「うん…」

「じゃ次の電車乗って行こう」

「でも小野っち、バイト大丈夫なの?」

まぁあんな満員の中でケツ触られたんじゃ仕方ないよな…
オレが触りたいくらいだ!

僕は灼熱の太陽に目を向けた
眩しく、そして突き刺すような紫外線だUVカットのグラサンが必要だな…

「なんか、もう行くまでに疲れた、これじゃ仕事になんねえや…あの中くそ暑いしさ。だから学校まで送ってくよ」

「じゃあ…アタシも今日は行くの止そうかな」

「学校には行かなきゃなんないだろ?」

「いや、別に大した用事じゃないから…ただ図書室で何人かと集まって宿題する約束だったから」

「なら、少し遅れたって大丈夫じゃん!行ってこいよ」

もうすぐ次の電車が到着する

「ううん、何かアタシも疲れた…明日にする」
このままUターンするのか…仕方ない
僕らはホームで強い日差しを浴び、汗を拭いながら反対側のホームへ向かおうとしたが、とりあえずバイト先には連絡しないと、構内には公衆電話が無い…
一旦降りるか、ここで…

「オレちょっとバイト先に電話してくる」

そういって改札を出た先の道路を渡り、電話ボックスの中に入った

「あ、もしもし小野です。ハイ、お早うございます。あの今日ちょっと学校に行かなきゃならなくなったので…ハイ、すいません。代わりに次の休みの日に変えてもらう事って大丈夫ですか?ええ、はい。すいません、大丈夫ですか?じゃあその日はバイトに行きますので…はい、それじゃ失礼します」

暑ぃな電話ボックスの中は!ほんの少し入っただけで背中から汗が滝のように流れだした

「小野っちありがとうね…」

そう言って僕にハンカチを渡した
「見てくれよ、この汗!ぁ、ありがと。これ洗って返すゎ」

僕は波多野からハンカチを受け取り、額の汗を拭った

「でもいいのか、ホントに行かなくて?」

「うん、アタシも暑い!ねぇどっか涼しいとこに入ろうよ!」
波多野も微かに額から汗を滲ませている
僕らはなるべく日陰を歩きながら、駅から少し離れた場所にあったファミレスを見つけ入った

あぁ~、中は涼しい!この瞬間が堪らなく好きなんだよなぁ!




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