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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第10章 ここの学校にしよう

「小野っち、高校決めた?」

僕の隣に座っている杉下って女が聞いてきた

「いや、まだ。ウチ、オヤジが都立に行け!ってウルセーんだよ、私立だと金かかるからって」

「で、何処の高校にすんの?」

「んー、都立は大体決まったんだけど、滑り止めの私立が何処にしようかわからなくってさぁ。何処がいいかな?」

「アタシに聞いても知らないよ(笑)」

「出来れば電車で通学したいな」

「えぇ~、朝なんて満員電車じゃん!」

「何か電車で通学してみたくて」

教室でこんなやり取りをしていた記憶はある
前の席の波多野は僕らの会話を聞いていたらしく

「小野っち、アタシと同じ学校にする?」

と後ろを振り返り、僕に聞いた

「一緒って、何処の高校だよ?」

「アタシはF高校に受験するよ」

F高校か…僕の偏差値なら大丈夫っぽいかなぁ

波多野とまた同じ高校になるならそこにしよう!
こんな邪な考えで僕は第一志望校をF高校に決めた

となると、問題は滑り止めの高校だ…

僕は都内の私立校で入学金がなるべく安い学校を探した

(なんだよ、全部男子校じゃないか…)

共学の私立校はあまり無く、あっても偏差値がかなり高いところだったり、入学金が無茶苦茶高い高校しか無かった、当時はそんな感じだったし…

F高校一本に絞って勉強をすれば良かったのだが、落ちた事を考えると、滑り止めの高校も受けた方がいい

僕はその夜、オヤジに入学金に負担がかからないような学校を選ぶから滑り止めの高校を受けさせて欲しいと頼んだ

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