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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第66章 あの、夕飯食べに行こうよ

確かに通学途中で吊革に捕まったまま寝るサラリーマンの場面を何度も見るが、まさか自分がそうなるとは

波多野は立ったまま寝ていた僕の顔がおかしくて笑いを堪えていた

やがて次の駅へ到着すると僕らはドアを出で、反対側のホームへ向かった


「前も寝過ごしてこんな事あったよね」

波多野は笑いながらエスカレーターに乗り込む

あぁ確か波多野と出掛けた時だ、あの時も僕が寝過ごしてUターンしたんだっけ

みっともねえ!波多野を起こすつもりが逆に起こされるとは…

エスカレーターで最上部まで上がり、僕らはまた手を繋ぎ反対側のホームに向かう下りのエスカレーターに乗る

「でも今日はしようがないよね。二人とも疲れたからね。小野っち無理してジェットコースターなんかに乗ったから疲れたでしょ?次は小野っちが座ってよ」

僕も疲れきった顔をしていたのだろう、波多野は気を使ってくれている

「ん、大丈夫。さっき寝たし、しかも立ったまま」

「でも吊革に捕まって寝るっておかしいね、アハハハハ!」

どうやら波多野のツボに入ったらしく、ずっと笑っていた

何せ学校行くのに満員電車に乗るからな
吊革に捕まって寝てるサラリーマンなんてやっぱり疲れたのだろうか?

そうこうしているうちに電車はホームに到着した

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