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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第2章 中3の2学期、恋をした

話は前年の1984年に戻る

(考えるな、感じろ!Don't think,feel!ブルース・リーの言葉を思い出せ!考える前に行動だ)

まだ夏の気配が残る9月の下旬

一人の女性に恋をした


当時はまだ中学三年生
同じクラスの波多野慶子(はたのけいこ)
今思えば、特別美人でもなかったし、可愛いとも思えないんだが

クラスで4番目か5番目ぐらいに可愛いという感じの娘だった

僕はその娘と中学の3年間同じクラス…

何故好きになったのかは覚えてない
ただ、(あぁなんか感じの良い娘だな)ぐらいにか思わなかったのが、時を経つにつれ段々と恋心を抱くようになってしまった

教室では僕の席の前が波多野…

僕の通っていた中学は、男女がジグザグになるよう席が組まれていた

「小野っち、宿題やった?」

僕はクラスメートから、(小野っち)というアダ名で呼ばれていた

「あ、忘れた…」

前から波多野が振り向き、僕に聞いてくる

「えー、また怒られるよそれじゃ!」

僕はしょっちゅう宿題を忘れては、誰かのノートを書き写してセコい事ばかりしていたような…

この頃は波多野のノートをよく借りていた

「あぁ、またやっちゃったな…悪いけどまたノート貸してよ」

僕は申し訳なさそうなフリして波多野からノートを借りようとした

「次からはお金取るからね」

波多野は膨れっ面をしながら僕にノートを貸してくれた

この表情、可愛いな…

僕は波多野のこういう表情豊かなところを好きになったのかも知れないのかな

ただ、当時は何で好きになったのかは解らなかったんだ…

思春期という多感な時期、好きになる=性への欲求、そんな妄想ばかり抱いていた時だった、そんな気がする

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