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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第86章 酒の勢いで思わず…

波多野が姉の耳元で少し大きめの声で起こしていた

「アネキ歩けるのか?」

僕はゆっくりと背負っていたアネキを地面に降ろした

「大丈夫そうか?」

「うん、もう大丈夫!歩いていけるから問題ないよ」

酔いが醒めたのか、アネキは歩き出した

「じゃあもう大丈夫みたいだね。アタシここでいいから。小野っち明日からちゃんと学校に行ってね。祐実センパイまた会いましょう、それじゃまたね!」

「慶子ありがとー!また会おうね、おやすみー!」

「じゃあまたなぁ~」

僕とアネキは波多野に手を振って別れた

そしてアネキと二人でトボトボとウチに向かって歩き出した

「ねぇ貴久…」

「ん?なに?」

「お姉ちゃん、貴久が高校行きたくないって気持ち解るよ…」

「ホントかよ?」

「うん。でも学校なんて何処も一緒だよ、楽しい学校なんて中々無いんだから」

「そんなもんかね~」

「うん、アタシだって出来れば学校なんて行きたくないわよ」

「…」

「皆、同じ気持ちだと思うな…だから学校辞めたいなんて貴久だけじゃないのよ」

「解ったよ、とりあえず卒業はするよ」

「うん、これは絶対約束して!
勉強解んないとこがあればお姉ちゃんちゃんと教えるから」

「大丈夫だって!勉強で落ちこぼれる事は絶対無い」

「だといいんだけどね…あ、貴久アタシお酒臭くないかな?」

「大丈夫だよ、ちょっとだけしか飲んでないから匂わないよ。
さて着いた、もう今日はさっさと寝よう」

「で、さっき慶子に何してたの?」

ビクっとした!まさかあの場面で起きてたのか?

「ちゃんと慶子の事、大切にするんだよ、解った?」

「…」

そして無言のまま家へ着いた…
バレてたのか、恥ずかしいなぁ!

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