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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第87章 腐ったミカン

翌日、姉と波多野の約束通り、学校に通った

またこの満員電車に揺られながら通わなきゃなんないのか…

やっぱ中退なんてそう簡単には許してくれないしな…

あぁバックレてぇなぁ~、なんて事を思いながらも学校に着いた

「何だよ、辞めるんじゃなかったのかよ?」

僕の姿を見るなり園田はニヤニヤしながら近寄ってきた

「予定変更になっちまっただよ。3年間ここに通う自信無いんだけどなぁ」

「おぉ、小野!今日は荷物整理か?そうかこれで終わりなんだな?うん、元気で頑張れよ!」

わざとらしく山下が僕の肩をポンと叩きながら笑っていた

「そうなんだよ、辞めてまた新しく入学したんだよここに。てなワケでヨロシクな」

僕も山下に肩をポンと叩いて返事した

どうやら僕が退学届けを出した事が広まってるらしい

中には「辞めるっていって何で戻ってきてんだよ、アイツアホじゃねえの?」

とか「あんなヤツ要らねえからとっとと辞めさせればいいんだよ!」と陰で色々と言われてるみたいだが、僕もそんなヤツラはハナっから相手にしてない

まぁとにかく振り出しに戻ったという事で…

席に座り1時限目の授業の準備をしていたら、「小野、ちょっと来い」
と担任に呼ばれ僕は教室を出て担任の後に付いて会議室へ入った

(どうせ退学届けの件だろ…)

案の定、その話だ


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