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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第92章 さっさとヤッちゃえよ

クラスの連中と仲良くなり、僕は学校に行く楽しみが増えたのだが、どこか心の中では【オレはお前らとは違うんだよ】という気持ちは払拭出来なかった

じゃあ具体的に何がどう違うのか?と問われても上手く伝える事が出来ない

勝手に自分からバリアを張って寄せ付けないようにしていたのも要因の1つだ

だけどそれだけじゃない何かがあったのも事実だ
この年になってもそれが何だったのか上手く表現できない

でも以前と比べ仲の良いヤツラは増えた

放課後バイトが無い時は学校から近いヤツのウチに遊びに行ったり、学校の近くの繁華街へ繰り出しゲーセンへ行ったり、コーヒーを飲みながらタバコに火を点けて煙をモクモクと充満させながら、思春期にありがちな性の話をよくしていた

皆考えている事は一緒だ

どうやったら女にモテるか、どうやったらセックス出来るか、そんな事ばかりを考えていた

頭の中の8割以上は異性に関する事で占めていた

それは僕だけに限らずほとんどの男子高生が思っていた
病気でも何でもなく、むしろ健全な証だった

ある時、友人の1人で中田というヤツのウチに数人で遊びに行った際、この中で彼女がいるヤツはいるか?という話しになった

ほとんどのヤツラは彼女がいなく、僕も彼女がいるのかいないのかよく解らないビミョーな立場だった

もう1人彼女がいたヤツ、名前は忘れたがソイツは彼女と初体験をさっさと済ませてしまった
「うらやましいなぁ、オレなんて彼女だか何だか解んないのしかいないよ」

「何だそりゃ?彼女じゃねえのかよ?」

僕は波多野の事を友人達に話した

「お前それデキる相手だからさっさとヤッちゃえよ」

「そうだよ、お前から誘われてるのを待ってるんだよ」

「次のデートでさっさとヤッちまえよ」

「お前、間違っても妊娠なんてさせるなよ!」

等々色々とアドバイスをもらった

要はいつまでもダラダラとしてないで早いとこ1発ヤレという事だ

(そうか、次のデートに誘ったら波多野とそういう関係になるかもな…)

こうなりゃ善は急げだ、僕は中田のウチを出て駅の途中にあった公衆電話で波多野に連絡した

(どうやって誘おうか?)

あれこれ考えたが頭の中でまとまらず、とりあえず次の休みに会おうという約束をして電話を切った

これで童貞とオサラバ出来るのか…

休みの日が物凄い待ち遠しく感じた

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