テキストサイズ

1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第95章 プラトニックで終わらせるのも恋愛

そうだ、波多野ってまだ処女なのかな?聞いてみた事ないし、聞いてもそんな事に答えるワケがない

でも僕以外に男の存在もいないみたいだし、やっぱり処女なんだろうな、と思った

で、ふとこんな事が頭に浮かんだ

(もしかしたら、僕は波多野と長く付き合う事が無いのでは?
だとしたら、初体験がどうのこうのなんてよりも、もっと大事な事があるはず
それについこの間まで同級生だった相手だ、そういう相手と初体験…
何だかとても恥ずかしい感じがする
そりゃ勿論、波多野次第なのかもしれない
でも何もしないで終わりにするのがいいのかもしれない)

何故、波多野と長く続かないのか?
明確な理由はない、直感で僕は波多野と近いうちに別れるだろうと感じた
何かが気に入らないとかではなく、やがて自然消滅する、そんな気がしてならない

そんな別れる相手とセックスなんてしたら別れる時はあまりにもショックだろう

まぁこれはあくまでも僕の勝手な意見なのだが、僕は波多野に対してそういう目で見ては行けないんじゃないかって思い、プラトニックな関係で終わらせよう、波多野の後ろ姿を見て、僕はそう思った

セックスよりも、バイクよりも、ギターよりも、僕にとって一番大切なのは人に対する思いやり、だがどうやって思いやりを形に出せばいいのか…

どう接すればいいのやら

あれこれ頭の中で考えすぎるのが僕の悪いクセだ

とにかく波多野とはプラトニックで終わりにしよう、そういう目で見て汚しちゃならないような後ろ姿だった

そして帰りはこの後に起きる事を自分なりに受け止めなきゃならない、そんなカッコつけた考えを頭の中で思い浮かべながら、そう長くはないだろう、波多野との付き合いをジックリと噛みしめるかのようにして、いつも以上に大切にしなきゃならないんだなぁ、なんてセンチメンタルな気分に浸っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ