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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第96章 彼氏紹介してくれって言われて

二階へ上がると客は僕らだけしかおらず、座敷の席に座った

「波多野またビールか?」

どうせ酒飲むんだろう、と思い一応聞いてみた

「エヘッ、うん飲む飲む」

「オレは今日は止めておくよ」

「そうなの…?じゃあ一杯だけにしよう」

僕はテーブルにあるブザーを鳴らした

しばらくして「はいは~い」と声がしてオバサンが二階にやってきた

「あの、ビールジョッキで1つとコーラ、それと水餃子に麻婆豆腐と酢豚一人前づつで」

「あら、お嬢ちゃんまた飲むのかい?飲むのはいいけど、程々にするんだよ」

「はい、すいません」

オバサンは注文を聞いて一階に降りていった

「何処行っても酒飲んでるじゃん?これじゃオレの事言えないだろ~」

僕は何処に行ってもタバコを吸うが、波多野は何処に行っても酒を飲む

「そうなんだけど、タバコとお酒って言ったらタバコの方が健康に悪いじゃん?」

「酒ならいいのかよ?どっちにしろオレら未成年にはダメなもんだろが」

「まぁそうなんだけどね…
でもお酒は少しなら薬になるっていうじゃない?」

「そういや波多野って毎日飲んでるの?」

「流石にウチじゃ飲めないよ~、でもお父さんもお母さんもアタシが飲んでる事は知ってるよ」

「んじゃ最高でどのくらい飲んだ事ある?」

「最高で?解んないなぁ、飲めって言われればずっと飲んでられるけどね」

高1で既に酒豪かよ、とんでもねぇ酒飲みだなコイツは

そしてビールとコーラが運ばれてきた

「じゃあ乾杯しよう」

「何に乾杯だ?」

「う~ん、アタシ達二人にカンパーイ!」

「はーい、カンパーイ」

グラスをカチッと鳴らせ波多野はグビグビと飲んだ

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