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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第16章 何やってんだ、お前は!

太田がそう言いながら両足の裏に雑巾を敷き、ムーンウォークで廊下を拭いていた

「キャスター、オレにも雑巾ちょうだい」

太田から雑巾を受け、僕らはムーンウォークで雑巾がけしていた、こりゃ楽チンだ!

「こらっ、お前ら!何だその掃除のやり方はっ!足で雑巾がけするヤツがあるか、バカたれが!」

ガラッと職員室の扉が開き、先生に怒鳴られ、僕らは普通に雑巾がけした

廊下の掃除が終わり、僕と太田は一つ上の階の音楽室に行った

そこでは、斎藤達が音楽室の掃除を担当してまだ掃除してた
遅ぇなぁ…

「まだ掃除やってんのかよ、さっさと終わらせちゃえよ!」

「見てないで二人とも手伝ってよ!」

女子に言われ、僕らは隣の楽器が置いてある倉庫代わりの部屋に入った
ハナっから手伝うつもりなんて無いもん

「キャスター、ギターあるじゃん」

「おー、この部屋ギターあったのか!」

僕たちはフォークギターを手に取り、ジャカジャカと弾いていた、うん、何か楽しい!

「キャビン弾けるのか?」

「いや、テキトーだよ」

僕はギターを肩に下げ、いかにも弾けるようにリズミカルに爪弾いた

「せぃっ!」

僕はギターを弾きながら高々と足を上げた
身体が柔軟な僕は、足を垂直に上げると爪先は頭上を楽に越える

「吉川晃司じゃん!」

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