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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第114章 もしかしてレズというヤツ?

怜子は真性の同性愛者だった

「ねぇ怜子。アタシも怜子の事好きだけど怜子の言う好きとは意味が違うのよ。アタシは怜子みたいに同じ女の子に恋愛を持つ事が出来ないの。ゴメンね」

その言葉を聞いて、怜子は今にも泣き出しそうな顔をしていた

「でもアタシと怜子は親友だよ。これだけは覚えておいてね」

すると怜子は立ち上がり
「ゴメン、アタシ帰る」
と言って店を出て行った
何だかかわいそうな事したな、僕は同性愛者の気持ちはわからないけど、アネキの事が好きで好きで堪らない程好きだったんだろう

はぁ、これがレズというヤツなのか

「怜子と二人きりだとちょっと怖かったからアンタを連れて来たのよ」

アネキはまたタバコに火を点けフゥーっと煙を吐きながら呟いた

「何だかなぁ、あんなに背が高くてモデルみたいな女が女にしか興味がないのか」

「うん、あの子は校内でもかなり有名なのよ。どういうワケか最近アタシの事を気に入って教室でもずっとアタシの側から離れないんだから…でも怜子にハッキリ言ったからもうそんなにしつこくしてこないと思うけどね」

「ギャハハハハ!アネキもソッチの世界に入ればいいじゃないかよ」

「冗談じゃないわよ!死んでも向こうの世界にはいきたくないわよ!」

物凄いムキになっていやがる

「んでオレの事を例の弟って言ってたのは何の事だったの?」

「あぁ、あれね。怜子にはアタシの事が好きで好きでたまらない弟がいるんだけど、ソイツも連れてきていい?って聞いたの」

そっちの方がヤバいじゃんかよ!

「はぁ?オレがアネキの事を好きだってあの女に言ったのかよ?」

「だってそうでも言わないと中々離れてくれないからさ…ゴメンね貴久。許して」

「何だそりゃ?こっちはいい迷惑だよ」

「だからゴメンて謝ってんじゃーん」

「オレがアネキ大好き弟って事が広まったらこっちがシャレになんねーよ」

「んー、まぁその時はその時考えればいいじゃん?」

「…」

かくして1986年の初詣はアネキのとばっちりを受けて終わった

イヤな年にならなきゃいいな
しかしあんな美人でスタイルもいい女が同性しか好きになれないとは…
世の中には色んな人がいるんだなぁ~

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