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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第18章 だってオレ天才だから!

最初は楽しかった学校生活も、シカトされりゃ楽しくないよね…

(なんだ、コイツら!結局オレに嫉妬してんだろ!)

僕より頭の良いヤツはいっぱいいたけど、僕はそういう連中は最初から相手にしてなかったし、勉強しか出来ないつまらないヤツ!って感じで話すらするつもりも無かったよ

で、1学期が終わる頃、2学期に始まると、校内で水泳大会があるんだけど、平泳ぎや自由形、背泳ぎはエントリーするヤツはいたけど、バタフライはさすがに誰もエントリーしなかった…

だって授業でバタフライなんて教えてくれないもん

だからバタフライなんざ棄権でいいだろ、バカくせぇ、なんて思ってたら、中野ってヤツが当時野球部のエースで特待生として野球の名門校へ進学するんだが…

「小野っちやりゃいいんだよ!天才なんだろ?天才ならバタフライだって出来るだろうが、なぁ?」

その一言を皮切りに、教室内では、僕が一斉に的にかけられた…

日頃バカにしていたヤツラにこんな事言われるなんて、と思ったが、どうせシカトされてるんだし、いざとなったら当日バックレればいいや、って思ってつい安請け合いしてしまった…

「いいか、オレはバタフライやったこと無えけど、もし泳ぎきって一位になったらテメーら全員土下座な!」

売り言葉に買い言葉で、ついそのケンカを買ってしまった…

その瞬間、物凄い後悔と不安感が僕の身体を包んだ…

(泳げなかったらどうしよう…)

終業式、トボトボと1人で歩いて帰り、どうやったらバタフライなんて泳げるんだ?
そんな事で頭が一杯だったよ

物凄く後悔したし、何であんなに人を小バカにしたんだ?って…

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