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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第20章 負けたけど得たものは多かった

そんな気持ちを払拭するために、ひたすら泳いで泳いで泳ぎまくった

長いこと水の中にいたせいか、少し身体が柔軟になっていた事に気づいた…

力じゃなく、身体の柔軟さを生かし、ムチのように足をしならせてドルフィンキックをする

そして、上体を起こすのには、両腕を水でかいて、その反動で顔を上げる、よし、だいぶ良くなってきた

短い時間帯だったが、25㍍のプールを何往復もした

ゼイゼイしながら、心臓がバクバクしながらも、必死こいて泳いだ、もう、これに懸けるしかない、ってな感じで…

今思えばかなりの意地っ張りだよね

もう少し素直になってりゃ、あの連中と一緒に泳げたものを…

翌日も、その翌日も夕方の時間帯に入った

で、ヤツラはいつものようにプールサイドでオレの泳ぎを見ていた…
(へったくそだなぁ、アイツセンス無えぜ)

そんな声が聞こえたような気がした…

(んだと、じゃあテメーら、バタフライマスターしたら、全員校庭に連れ出してそこで土下座させてやらぁ!)

なんつーか、結局は自分が高慢な態度でシカトされてるにも関わらず、力技でひっくり返してやろう、そんな事出来るはずはないんだけど、その頃はそれだけ!
アホの一念岩をも通す!

とまではいかないけど、着々とバタフライは上達した。

25㍍どころか、100㍍だって泳げるようになった…

そして夏休み終了直前に、ようやく自分のものにした!

これで一位とってあのバカどもに土下座だ!

…結局夏休みはプールに浸かっていて、カッパのような日々を過ごして2学期がスタートした

勿論、宿題には全く手をつけてなかったしね…

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