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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第20章 負けたけど得たものは多かった

次の日からは近所にある、区営公園内にあるプールに行った

ホントは隣の学区の区営プールで泳ぎたかったんだが、わざわざチャリで30分もかけて行くのが面倒になっただけで…

僕はこのプールに同級生が何人か来ているのを知って、夕方高校生や大人専用の時間帯を狙って行った…

昼間はベッドでドルフィンキックや上体を反らすような事をやって、ドッタンバッタンと泳ぎをシミュレーションしていた

「うるさーい、何暴れてんの、ったく!」

隣で姉がブーブー文句を言ってたが、僕はとにかくバタフライをマスターしなきゃならない!

そしてバカにしたグラスのヤツラに土下座してもらおう、その執念だけで泳いでいたんだから…

公園内で夕方の時間帯になるまで何人かは列になって並んでいた、だが、その中に同級生が数名いた…

(ヤベー、見つかっちまったか…)

僕も向こうもシカトしていた、しかも僕の顔を見てヒソヒソと何やら話していた

(テメーら、どうせオレの悪口だろ、2学期になったらひれ伏してやらぁ!)

そんな思いだけで夕方の時間帯、僕はまず、ドルフィンキック3回に対して、上体を起こして水をかくのを1回、ってな感じで泳ぎ始めた

(おぉ、いけるいける!)

あっという間に25㍍を泳ぎきった…こんな努力したの後にも先にもこれだけだ…

プールサイドでは、同級生のヤツラが僕の泳ぎを見て、ニヤニヤしていた

(くそっ、腹立つ!何言ってんだか知らねえが、目障りなんだよ!)

そんな気持ちを払拭するために、ひたすら泳いで泳いで泳ぎまくった

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