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忘れられない人

第1章 出会い

専門学校1年生の秋、100円ショップでバイトを始めた。理由は、教習所に通うお金を稼ぐためと車資金。


バイトは週に3日くらい入ってた。主に平日の1日と土日。


ずっと接客業をしてみたかったから、ここでのバイトはとっても楽しかった。売り場の残り少なくなった商品の発注は慣れるまで大変だったけど…。


バイトを始めて1ヶ月ぐらい過ぎた頃、翔(しょう)さんという男性に出会った。年齢は6歳年上の25歳。


100円ショップの店員さんではなかったけど、同じ建物内で働いていた。
翔さんは、初めて会った時から、気さくに話しかけてくれて、6歳も離れていることを感じさせなかった。


私がバイトを始めてから、翔さんが働いてるお店では、100円ショップにすっごく小さい店員さんがいるって噂になってたんだって。


どんな子か見てみたくて私に会いに来たのが、翔さんと出会ったきっかけ。



翔さんに出会うまで、自分のお兄ちゃん以外に年上の男性と関わる機会がほとんどなかったから、知り合いになれたことがとても嬉しかった。





バイトの日、売り場で商品の品出しをしている時、


「しーほちゃん、こんにちは」


後ろから男の人の声が聞こえた。



振り返らなくても声だけで誰かわかる…。



ゆっくり声のした方を向くと…



やっぱり…あなただった…


私の…大好きな人…



『翔さん。お疲れさまです。』


ニコッと笑顔で返した。



「しほちゃんは、いつも学校が終わってからバイトしてるの?」


『はい。専門学校が近いので、学校が終わってからそのまま来てます。』


「そうだったんだ。バイトって毎日来てないよね?週に何日入ってるの?」


なんで翔さんはこんなに質問をしてくるのかなぁ…。ちょっと不思議に思ったけど、気にしないことにした。



『学校が早く終わる水曜日と、土日に入ってます。』



「そっか〜。土日は学校休みだから、昼間からいるんだねー。平日は昼間来てもいないから、まだ学校が終わってないのかな〜って思ったりしてたんだよね。」


あれ…?少し私のこと気にしてくれてるのかな…?


ううん…自惚れ(うぬぼれ)ちゃダメッ!
翔さんは気を遣って言ってくれてるだけなんだから。

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