碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~
第1章 澄みきった青空
『ふぅ・・・』
そんな日々の中
ほんの少し息をつく間や
ほんの少し挫けそうな時
治療が辛いとき
少し後ろ向きになりそうなとき
私は…いつも
自分の胸元に手を伸ばしました
・・・ジャラ
肌身はなさずに持っている
あの人にもらった指輪
私の…唯一のお守りであり
宝物です
『・・・ゆぅちゃん』
ゆうちゃん・・・元気でいますか?
お仕事は・・・辛くありませんか?
あなたのいる場所は
寒いですか?・・・それとも暑いですか?
ごはんはおいしいですか?
空気は・・・キレイですか?
『・・・』
大切な人は・・・できましたか?
私は…自分が
その人生を狂わせてしまったあの人の
その幸せを願うことしか
私には
それしかできませんでした
最後の最後まで彼に
〃別離の言葉〃を言えなかった私
共に過ごした最後の一日でさえも
〃さようなら〃と言えなかった私たち
最後に彼に宛てた手紙にさえも
その一言を書けなかった私は
空港で彼に電話をした
自分の気持ちを伝え
彼の想いを聞くことも出来て
私たちは・・・ようやく
本当の別れを迎えたのだった
未練?
そんなもの
あったとか…なかったとかじゃないんです
二度と会えない
会ってはならない
私たちにあったのは
それだけだったのだから
お互いのために
お互いが出来ることはもうない
あるのはせめて
その幸せを願う気持ち
守りたかった
だけど私には守れなかったあの人
神様・・・お願いです
あの人の明日を照らして下さい
あの人の未来を
守って下さい
そう願う私は…
『・・・っ…っう・・・うっ』
そんな私は…それでも
『~~っ・・・』
それでも私は…優人が・・・すき
どうしても・・・優人が好きだった