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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

こんな体になった私が
親孝行‥夢物語も良いところ



だけど…弟には

せめて・・・弟にだけは





『・・・っ』


仏頂面して運転する

過剰に口数が多くもなければ
同情も励ましもしない子だけど

文句も言わず
人騒がせな姉に世話を焼いてくれる


そんな弟を見ていると
どうしても涙がでそうになりました






弟には…弟の幸せがある


可能性もあれば
夢だってあるやもしれない



弟には幸せになる権利がある


その邪魔をするようなこと
それだけはしたくない


それは…私の
〃最後の意地〃だったかもしれない








今…家族に迷惑をかけている


それは、ごまかしようのない事実





「しょうがないじゃん」

「自業自得でしょ」

とか

「かわいそうに」

だとか



賛否や同情の声があったとしても

それも…取り払って考える




開き直る……それとも違います


身体に生じた障害を理由に


言い訳したり逃げ出すのなんて嫌だ





近い将来・・・遠い未来に

親や兄弟に…今のような心配を

かけないために





今は…家族の優しさをもらって

手を貸してもらって

私は再スタートを目指そう




そう思い始めたのです





リハビリも

腕の力をつけることをメインにした

〃対処療法〃のようなことはやめて




母が提案してくれても
どうしても遠慮してしまって拒んでいた

様々な治療方も
積極的に受けさせてもらい始めた





当たり前が…当たり前でなくなるまで

人は・・・自分が

どれだけ〃自由〃だったかなど

気付けないのかもしれない



自分の体を…自分で動かす



そんな・・・当たり前の自由を









私は・・・やっぱり

自分の脚でもう一度立ちたい







自分の〃脚〃で…道を歩く


自分の〃足〃で…人生を歩く






大切な人たちに恩返しする

そのために

私が掲げた目標でした

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