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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

目の前の事を必死にこなす


一日一日を必死に生きる




そんな私には

まだまだ問題や

乗り越えなければならないことは

他にもありました






夫との離婚が・・・成立していなかった私






それまでの過程がどうあれ

不貞の発覚した私は

いわゆる〃有責配偶者〃




自分から…こちらから離婚を迫るなど

事実上不可能だったのです







そして…そこには

私の両親・・・父が

完全に立ち塞がってくれました



〃『君の答えを待つ』〃



あくまでもこちらは
要求は出来ない

訴えるのか、要求があるのか
それ以外の方法を望むのか

決めるのは元夫の方…
そう言った意味を込めて

父は…元夫に、そう告げて
こちらは弁護士も立てずに



私の体のこともあるけれど
父は…私と元夫を


二度と接触させませんでした






『ごめんね・・・まりあ・・・っ』




私が実家に戻った時に
母は泣き崩れました


何度も私に『ごめんね』と言って
私を抱きしめてくれた…


〃もっと早く気付けば〃

〃もっと早く踏み込めば〃


そう繰り返しながら
私に罪悪感や無念さを募らせ
涙を流してくれていた



無論…私は

その言葉を真に受けてないと言うか



こんな私でも

とおの昔に…子どもではなかったのです



親のせいでなどないのはわかりきったこと

当然、強く否定しました





時を同じくして

泣き崩れる母の横で

父は…もちろん

泣いたりしませんでした




口を…真一文字に結んで

じっと考え事をするように





けれど、この時の行動が

その父の思いを語っていました



それは…母と同じ気持ち



その強さ故の頑なな行動




盾となり

私と元夫を遮断してくれた父




その間に元夫から、動きや連絡が
なかったと言うことは…ないであろう



だけど、そんな経過は
私の耳には入って来ませんでした



父は…聞かせないようにしたのです


〃その日〃が来るまでは

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