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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第4章 はじめての・・・自由

『ねぇ・・・ゆぅちゃん?

〃あの辺〃行ってみたい

・・・住んでた辺り』






『ふふ・・・そうだな』





住宅地に移動して

数日間・・・二人暮らしをした

アパートの辺りを歩いたり




私たちは…目に入る景色を

懐かしみながら

それでいて

穏やかな気持ちで

ただ…お散歩でもしてる時と

同じような感覚で

のんびり…ゆっくりと歩きました






『あのコンビニ…行ってたよね』



『あぁ、でもってさ

あっちに行くと~~…確か

やたら元気なオッチャンのいる

八百屋があってさ(笑)』





『そうそう!それから向こうに~…』





私たちは

暑さも忘れて

懐かしい景色を

ひとつひとつ…眺めました







『この辺は・・・あんま

変わってないな』




『都心とは…やっぱり違うね

でも・・・なんか嬉しい』









『うん・・・・俺さ

ここから・・・そう遠くない

あ・・・遠いかな(笑)

同じ県内…この辺だったんだ

俺が・・・この間まで、いたの』






『えっ・・・』





そして

なんだかんだで忙しくて

ゆっくりそんな話も

出来なかったからでしょうか





はなれていた日々の

お互いの話をしたり





それはそれは

沢山お話をしました







『こんな・・・遠くに』





『電車がさ…すっげー短いの

あ・・・車両の数って意味な?

ひでぇとさ一時間に一本とか

果てしなくえげつなくてさ

初めは本気で爆笑したぜ?(笑)』






『・・・』



私の知らない

優人の見た景色




優人がひとり

歯をくいしばって

耐え抜いた日々





乗り越えたからこそ

こうして話してくれてる




それがわかっていても

私の目頭は

熱くなるのを

堪えることは

中々難しかった。

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