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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第4章 はじめての・・・自由

『この辺・・・かなぁ?』



私は…思わずお財布から
一枚の写真を取り出しました。




あの時撮った・・・写真




この海の前で

青空を背景に優人と撮った

唯一残っている

一枚の写真です。






『背景は空だしな?

中々・・・わかんねぇな♪』





『???』





振り向くと優人は

少し…照れくさそうに

自らもお財布から

紙切れ・・・?






いいえ



優人が手にして

私と同じように

空にかざすのは

もう1枚存在していた

あの日の写真







『ゆぅちゃん・・・持ってたの?』







『・・・。入れっぱなしだっただけだ』





少し顔を赤らめて

優人はすぐに写真を

ポケットにしまいました




四隅が所々折れて

年月の経過を思わせる

色褪せかけた写真・・・





写真は色褪せても

色褪せない思い出と

お互いの想い





そして・・・私たちは

これから





今度こそ

共に生きて行けるのです











『マリア・・・』

『ゆぅちゃん・・・』









『『愛してる・・・』』











私と優人は

砂浜で・・・つよく

つよく抱き合いました








あの時・・・二人で誓い

叶わなかった

私たちの想い






優人が…私を

ここに連れて来てくれた

本当の本当の理由が

わかった気がしたのです








楽しい思い出と連なって

辛く苦しい思い出もある




それを




再び共に

ここに来る事で




ここで・・・再び誓う事で






私たちは…苦しい過去も受け止めて

この先を歩んで行ける






ここに来て

同じ空を共に見上げることは





私たちが


私と優人が・・・ほんとうに








〃初めて・・・自由になった〃






それを・・・心の底から

教えてくれる






優人が…そう言ってくれている

そんな気がしたのです

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