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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第5章 はじめての・・・ケンカ

『・・・嫌な気持ちになるでしょ

腹だって立つでしょ・・・?!

ゆぅちゃんが先に言ったのよ・・・っ

そう言う事を・・・私に』






私は…悔しくて




先に泣くのだけは…イヤで

唇を噛んで…ぐっとこらえた




だって・・・男の人の前で

それもケンカなんかした末に

女が泣くのは

なんだか・・・ズルイ気がするから。






私は…泣くのを堪えて

優人を睨み付けた








『フン…!お・・・俺は

そんな完璧なオトコになんざ

手も足も出ねぇよ・・・っ

俺なんかじゃなくて

ソイツと居ればよかったのによ…っ』







『・・・っ』









優人の・・・バカ



バカ・・・バカ・・・バカ



優人の・・・大バカ



世界一・・・・・・バカ







そちらも引くに引けない

そんな様子で

憎まれ口を叩く優人に…私は










『・・・そうだね。』








涙声を…必死に堪えて

優人に言いました








『っ・・・?!』



口から出任せ…とまで言わなくとも

そちらも興奮気味の優人は

思いがけぬ私の言い返しに

少しギョッとして見えました








『スグルさんは…誰に対しても

乱暴な事なんか言わないし

優しくて・・・あったかくて

心の綺麗な人だった』







『・・・』








『そんな人が・・・私なんかを

私にはもったいない、その人が

私に・・・〃一緒に生きたい〃…って

そう言ってくれた事も・・・あった』










私は・・・ありのままを

優人に話しました





やけになって

感情を彼にぶつけただけ?

そうかも知れません







だけど・・・ちがう





私が…悔しかったのは

こんな…つまらない

口ケンカに負ける事じゃありません




本当に…悲しいと思ったのは




ムキになってしまうのは




そんな理由じゃ・・・ありません

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