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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

親しくしてくれる

話も聞いてくれる



けれど・・・込み入った事を

あちらから聞いたりはしてこない



歩けなくなった理由

あまり人には話したくないこと



そんな事をスグルさんから

聞かれることは一度もなかった



ちなみにスグルさん自身は

数年前に事故で歩けなくなったそう



今の彼の年齢を考えても

当時の年齢を考えても



働き盛りの・・・男の人




そんな彼が突然

当たり前だった日常を失った




その失意や・・・絶望は

一体どれ程のものだろう



その辛さや痛みだけは

私にもわかる気がしました





けれど目の前のスグルさんは

本当に明るく

そんな影を一切感じさせない人です




私には…真似出来ない

キッパリと言い切れるほど。




男の人だから?

それもひとつの理由かもしれません




鍛え抜かれた大きな腕は

そこに階段があれば

自力で登ることも出来るし

車の運転もすれば、日常生活のこと

もちろんお仕事もしている

彼はなんだって自分でこなしていました



それに留まらず



事あるごとに周りの人には優しく

惜しみ無く手助けをし・・・





それは・・・経験と余裕の違い?

それもあるかも知れません



例えば私を主軸にして考えても

それはひとつの答えです




だけど・・・ちがいます




そこに存在するのは

やはり、その人の〃心〃

その人柄だと私は思うのです




そうなろうとしても

なれない人は大勢いる




努力も・・・生き方も

そして、その人柄も




私は素直に

そんなスグルさんを

心から尊敬していました

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