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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

同じ女性でも

同じ〃母親〃でも

別の人間なのだから…仕方ない




私とカズキが

産まれた場所も…育った環境も違う

価値観も違う別々の人間であるように



親も…別々の親だから



そう言い聞かせる私の脳は
それでも反発をする



言わなければ良かった



所詮は他人なのだから
比べても仕方ない



期待なんてしなければいいの

期待しなければ…相手に嫌悪感を抱いたり

ガッカリもしない



希望なんて持たなければ良いの

希望なんてなければ…絶望しない




そんな風に考えて…諦めようとする




それでも…脳を過ること





〃私のお母さんなら、間違いなく
そんな対応はしない・・・・〃





もしも…私の弟が将来
お嫁さんをもらって

もしも…万が一にでも
手を挙げた…なんて事があったら



〃『○○ちゃん、ごめんなさいね

今後こんなことが二度とないように

息子には私からきつく

良く言って聞かせるから』〃



弟を厳しく叱りつけて

当たり前のように相手に

そんな風に対応する私の母の姿や

表情…声色までもが

ごく自然に想像出来て

私の脳を過るのです








けれど・・・私の前には





〃『男の人はプライドもあるからねぇ

上手いこと家庭の舵を握って

旦那を上手く動かすのも女の仕事よ♪』〃






『・・・』






諦めようと…ぐっと堪えて

適当に電話を切った私は

それでも思わずにいられなかった





〃こんな人は・・・「親」じゃない〃






期待…したのではない



けれど、中々人になんて言えない話


だから…彼の母親に相談した





助けてほしかった・・・。








だけど・・・橘の家に

私を助けてくれる人はいませんでした





私の味方は…いませんでした

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