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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

『なんだ…その言い方は?』


『・・・・・・・』




仁王立ちする夫を前に

何が起こったのかわからない

そんな私は・・・・黙って頬を押さえていた







『まりあ・・・誰のおかげで

メシが食えるんだ?え?・・・おい』










『・・・・・・ごめんなさい・・・』





どうして?私だけが咎められるの?


私だけ…謝るの?





そんな事を考える余裕はなかった







・・・こわかった。






感じていたのは・・・・それだけ









『うっ…うっ…うっ・・・・うぁぁぁぁんっ…』




理不尽さや…溜まりにたまったストレス

いいえ・・・何より恐怖心

それらの感情が爆発するように

私は泣き崩れていた






『うっ…うっ・・・・うっ…』





かまってほしくて

謝ってほしくて泣き続けたのではない

行き場がなかったのです





私は・・・・覚えている





泣いている私に一切構わず

先に寝室にこもって

テレビを見てはゲラゲラと笑っている

夫の、そんな異様な行動を・・・。










『もしもし・・・お義母さん?』



〃『まりあちゃん?どうしたの

なんだか…声がつらそうねぇ?』〃



『あの・・・』





多少のケンカなんて…どこの夫婦にもある

けれど

手を挙げられたのは…本当にショックだった




私は・・・・夫に

そんなに悪いことをしたのか




叩かれる私が悪いのか




私は・・・・一度だけ義母に相談しました





〃『カズキは…面倒くさがりな所は
あるけどねぇ・・・

まぁ~~…そんな事が?!

でも・・・それはやりすぎよ
うん、やりすぎだわぁ・・・』〃






『・・・』





何かを…期待したのではない


彼の代わりに…母親に
謝罪を求めたのでもない


所詮は他人
それでいて〃こういう人だ〃と
薄々わかっていたこと


それでも…自分の息子の行いを
終始〃他人事〃のように傍観する
そんな姑を前に


私が確実に思っていた事







〃この母親(ひと)では…話にならない〃

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