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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

仕事に趣味にと忙しい夫は

私には…恐ろしいくらい

興味も関心も示さなかった




子どもが欲しいとも言わない





『いつまでも学生気分で

ベタベタしてる夫婦なんてどうかしてるぞ

気持ち悪いな・・・』




『・・・』



そういう事ではない


私は・・・・まともな感覚が薄れていく中でも



〃やっぱり和樹は間違っているよ・・・〃



そう思っていた









『可愛いげはないし…色気はないし

第一そんな魅力のない女に

〃そんな気〃が起こるわけないだろう』







夫の言葉は…容赦なく

私を傷つけ…追い詰めました






夢も希望もない

何をするにも自信もない




私にあったのは・・・・狭い世界




やはりそれだけでした





『お前はろくに仕事もしたことがない』


『世間知らず』


『要領が悪くて何も出来ない』


『バリバリ働くのには向いていない』






私は・・・・夫がいないと生きていけない






ある種の洗脳状態のように

私は・・・・夫に反対されるから、だけでなく

社会に出る…復帰する事に

いつしか恐怖心さえ抱いていました







『・・・ハァ』




家計簿をつけながら

夫の給料明細を眺めてため息をつく



夫は…いわゆる〃ケチ〃では

ありませんでした






もしくは…そのプライド故なのか

お金にうるさく言ったり

細かく家計簿など付けろと言われたのではない



けれど・・・ケンカや

何か言い合いになれば

必ず経済的な力の違いを

引き合いに出して私をなじる



私はそれがわかっていた


それも理由のひとつ



あとは…私がやっぱり

人の稼いだお金を

夫が汗水たらして稼いだお金を

何に使ったかわからない…なんて

そんなのはやはり嫌だな、と

自分でつけていたものだけど






ため息をついた理由は

そこではなくて







〃この半分・・・・ううん

三分の一でも良い

私が自分で稼げたら・・・〃







私は・・・・そんな

冷たく苦しい夫婦生活から

逃れたいと





そう望むようになっていました

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