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『まぁでも・・・今はね

逆に〃結婚していなくて良かった〃

って思うよ』




『ぇ・・・』





『自分が守ってかないとならない
奥さんや子どもがいて
突然こんな体になった方が…

それこそ悔やんでも
悔やみきれない・・・とか

申し訳ないとか・・・
重荷になりたくない、とかね

だから結婚してなくて
本当に良かった

人それぞれだけどね
今の僕はそう思うかな』





『・・・』


その人らしい

それから男性ならではの

男性らしい心情








『って風にさ？

人間なんて考えも生き方も

変わってくる事もあるだろうからさ』






『私・・・私も

スグルさんみたいになりたい』





『あははは・・・どうしたの まりあ？』






素直に・・・口から出た言葉でした

その人への尊敬を表す正直な言葉





『でも･･･今の私じゃ、まだまだ全然

足元にも及ばないから・・・』





その困難と努力と継続…

そして・・・その精神や人柄を前には

私はあまりにも未熟過ぎました






『なんだっていいじゃない♪
まりあ は・・・まりあでしょ？

それこそ…人は人
自分は自分

例え不安や恐れ故だとしても
家族のため…自立するためだとしても

そういうまっすぐな気持ちで
頑張る事は何も間違ってなんかいないよ

ひとりで頑張ろうとしないで
周りに助けを求めて良いんだから

それに…恐れや不安が動機だとして？
皆が皆まりあと同じように頑張れる
なんて…僕はちっとも思わないよ

自分らしく自分の目標もって
頑張ってる今のまりあがいれば

それがベストだと僕は思うよ』





『うん・・・はい･･･っ』






ひとりで悩まないで、と




私の影に隠れた心の闇のようなものを

見抜いては、歩み寄り

声をかけ…その重たい石のような

私の不安や孤独を

和らげ、取り払ってくれたのでした