テキストサイズ

碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

『う・・・動いた・・・?』




月日が流れ

橘との離婚も成立し




リハビリや治療に専念する日々の中で

動かなかった私の脚に

その兆候が現れたのは

そんな暮らしに

すっかり慣れつつあった頃でした










母は涙を流して喜び

交流のある友人たちも

自分の事のように喜んでくれました






『ふふふ・・・ほらね♪

腕も鍛えておいて良かったでしょ?』





そう言って笑顔を見せるのは

この時の私の日常に

すっかり馴染んでいたスグルさん





『うん・・・はい』




手すりに掴まったり、杖で

少し・・・ほんの少し

ほとんどは腕の力を頼って

本当に少しだけれど

歩けるようになった私




経験者や年長者の助言は

まず聞きなさい・・・




そんな事を学んだ気がしました







これを・・・〃欲張り〃と言うか

それとも・・・〃希望〃と言うのかは



それこそ…捉え方

言い方次第かもしれませんが




〃まだ回復が見込めるかも知れない〃





やっぱり欲張りでしょうか?


それでも…そんな

新しい一歩


その先の私の生き方に

新たな道を描き始めた私は


積極的に物事を考えていました



リハビリのない日は

家でインターネットをして


調べものだったり

ブログを覗いて

誰かの世界や言葉に触れたり






そんな中で・・・




『やっぱり最先端の医療なら・・・

こんな田舎じゃなくて

〃向こう〃が一番よね・・・』





それは私の母の言葉





手にした都会の病院の情報を前に

田舎暮らしを少し嘆くように呟くのです





だけど


やれることがあるのなら

やってみる価値があるのなら・・・






〃可能性があるならかけてみる〃






そんな、母を初めとした家族


そして


お互いに励まし支え合う友人たちと


約束したこと。





迷いだとか・・・躊躇い


不安だってもちろんありました




けれど私は


私自身のために


一番やるべきことを・・・と





そして最後に決めるのは私だ、と





そうして新たに決意を

固めていくのでした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ