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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空


『あれ・・・まりあ?名前・・・』





ピピッ



『・・・』



名前の変わった私の入館証を
さりげに目にとめたスグルさんが
目をクリッとさせて見ていました



〃橘さん〃とは呼ばれなくなった私

ようやく、そう名乗らなくて・・・

呼ばれなくて良くなった私





隠してた訳ではありません

協議中だったから?あるいは

日々の事で精一杯だったから?


もしくは


あまり知られたくない事だから?



それとも・・・


思い出したくないこと・・・だったから?





本当のところ…わかりませんが





聞かれることもなかったのもあります




スグルさんにも、みんなにも




橘とのことを

話したことはありませんでした






『離婚・・・したので・・・私』






『・・・』





少し眉を動かしたスグルさん







『名前が・・・変わりました』





得意気に言うことでもなければ

どうしても、どこか

気まずいような気持ちでした






『・・・そうだったんだ?』







『お恥ずかしい・・・話デスガ』






『???どうして・・・?』






『ぅ・・・ん・・・~~』




自然と出た言葉でした




今時・・・そんな

珍しい事でもなければ

表を歩けない…なんて言うほどのこと

・・・ではないかもしれないけれど










『勝手に〃独身者〃だとばかり

思ってたから・・・少し驚いた♪』





スグルさんは

〃なんだ?そんなこと〃とでも言う笑顔で

いつものように笑いました

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