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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第8章 純白の誓い

不意に見せるマリアの表情



それは




俺にとっては


脳天をブチ抜かれる




〃不意討ち〃だ









『さ・・・最初から

素直にそう言えっつーの・・・っ』






俺は赤らむ顔を隠すように

精一杯…強がった






だけどマリアは

その本音も・・・語る










『・・・まだまだ先の

〃ご褒美〃だって・・・思ってたの』













『え・・・?』









『今の私には・・・まだまだ先の

おっきな・・・おっきなご褒美だ、って』










ほどなくして見えてくる

俺らの家に向かって一緒に歩きながら




俺は

マリアの小さな手から伝わってくる

そのぬくもりと

マリアの声を…噛み締めるように

じっくりと感じ

そして耳を傾けた










『私・・・こんな成りしてさ』





マリアは

ゆっくり歩きながら

未だ引きずって歩いている

自分の脚を

チラリと眺めた







『ゆぅちゃんに…また逢えて

一緒にいることを許してもらえて

それが…どんなに幸せな事か

有り難い事か…って

今でも・・・夢みたいに思うの』








『マリア・・・』








『それなのに・・・

今の私は、ゆぅちゃんに

甘えてばっかで

なんだか、締まりがない気がして』








本気で言ってんのかな?

マリアのやつ・・・








『もっと・・・しっかり

もっと・・・自立して

私も・・・〃私が〃ゆぅちゃんを

今度は・・・今度こそ

ゆぅちゃんを幸せにできる

そういう私になれた時にやってくる

とびきりのご褒美だ、って

そう思ってたの・・・』







マリアは

どこか後ろめたそうに

それから

照れくさそうに

はにかんで

俺を見上げた









『バーカ・・・(笑)』






『っ・・・』








俺はマリアに

軽くデコピンした







『お前の…どこが甘えてんだよ

歩けなかったはずの人間が

自力で、ここまで歩いてんだぞ?

お前は…わかんねぇかもしんねぇけどな

周りから見たら

そりゃ…とんでもない

すげぇ事なんだぜ』

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