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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第3章 青空と共に・・・流れる雲


並木道を抜けた私たちは

そのまま通りに面した歩道に出ました






『・・・』


『ゆぅちゃん・・・?』






『・・・』


『あの・・・おろしてくれる?』





脚が限界で
歩くのなんて・・・しんどかった


だけど


桜吹雪は、もう
私たちを隠してくれてはいない



通りに出た私は
さすがに人目を気にして優人に言った







『・・・』

『ゆぅちゃん・・・?』





優人は聞いてはくれません






私を肩に担ぎ直して・・・






スッ・・・






私が優人の背中から振り向くと

彼は挙手して

タクシーを停めていました





『・・・』

『ちょ・・・っ?!』





問答無用・・・と言うように





優人は私を地面には下ろさず
ドアの開いたタクシーに乗せ
そのまま同乗しました






バタン・・・







ドアの閉まったタクシーが発車する






『ど・・・どこに??』




『・・・』







『ゆぅちゃん・・・ってば』



『・・・あ~~・・・

とりあえず・・・行く』






『だから・・・どこに???』



『~~・・・』







怒っている…とか

無視してる…とか

そういうのではありません



優人自身…まだまだ混乱している

冷静さを取り戻して

考え事をするように

黙って隣に乗っている




それは・・・わかったのですが




目的地は不明でした







混乱、興奮冷めやまぬ

冷静さの欠片も持ち合わせない

先程とは違う





沈みきった?

しぼんだ?


なんとも表現し難い雰囲気で

頬杖をついて

窓の外をみている優人




『あの・・・ほんと、どこに?』


私も私で冷静になろうとする所
その目的地不明は不安に変わりなく

頬杖ついたり
コツコツと自分の頭やオデコを
叩くような仕草で

考え事をするような優人に
聞き続けました








『・・・とりあえず・・・来て』





『だから・・・どこ・・・』









『とりあえず・・・来てくれるか?』

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