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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第3章 青空と共に・・・流れる雲

ドクン・・・ドクン・・・ドクン




『・・・』



彼の胸に頬をつける私に
聞こえくる…優人の心臓の音


少し・・・早い鼓動



今・・・この世界中で


私だけが・・・聴いている音








そして・・・




『ん・・・』





私は…優人の服越しに頬に当たる

何か・・・硬い異物感に

優人の胸から顔を上げました





『ん?・・・どうした?』


『・・・』





ポフ・・・ポフ・・・


優人の胸板に

なんとなく手を当てて





・・・ゴソ





私は…彼の首から少しのぞく

光る金属片

ネックレスを…なんとなく

引っ張り出しました





『・・・ゆぅちゃん』





『・・・~~ぁんだよ・・・?』








『自分だって・・・つけてるじゃない

・・・〃こんなもん〃を・・・(笑)』







『・・・~~』





優人の胸には

私とオソロイの…指輪が

下がっていました





『ふふ・・・つけても・・・いい?』




私は…彼の首から

ネックレスを外し

指輪を・・・抜き取りました





『・・・』



優人が黙って〃左手〃を出す



私は…そこに



そっと・・・彼の指輪をはめました。










『マリア・・・疲れただろう』





心配そうに…少し眉を下げて

私のパンパンにむくんだ脚を

さするような仕草をしながら

優人は私に言うのです






『ううん・・・』





私は…目が熱くなるのを少し堪えて
大きく首を横に振りました








『・・・・・・ありがとう・・・っ』







少しだけ…涙混じりな優人の声



〃ありがとう〃そう言って
優人は私の左手を握ります




〃ありがとう・・・〃




指輪を…持っててくれてありがとう


探してくれて…ありがとう


再び…出逢ってくれてありがとう





例えば、そのうちの

どの意味だったのかな





・・・或いは

そのすべての〃ありがとう〃





それくらい


深みのある・・・〃ありがとう〃






深くて・・・あったかい

優人の一言でした

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