不思議の国のアリス
第2章 ♠︎
道行く人が空を見てまるでUFOでも見たかのように驚き、騒ぎ立てているが、一番びっくり仰天しているのは言うまでもないが、由紀である。
風に吹かれながらゆらゆらと子豚と共に空中を飛んでいる。こどもの日の鯉のぼりになった気分だ。
こりゃあ、トップニュースになるわ、私。間違いない。
次から次へと起こる不可思議な出来事に由紀の頭は混乱していた。
そんな彼女をよそに、子豚は何やら空中で指を動かし、円を描く。
それは、やがて立体となり、中央に白いマシュマロがくっ付いた洋風ワッフルのような一見お菓子にしか見えない美味しそうな物体が出来上がった。
そして子豚は、白いマシュマロをドアの取ってのように掴んで右に引くすると、ワッフルも連動して右に動いた。
どうやらお菓子ではなく、お菓子に似たドアのようだった。
怖っ!
彼女は思わず、眼を疑った。
ドアの向こうには、果てしなく広がる星空が存在していたのだ。
まさか、この中に飛び込む気?
いやまさかよね....(笑)
頼むからやめてくれよと懇願するような目付きで、隣の子豚を見る。
その、まさかだった。
叫び声は上げないが、恐怖一色に染まった彼女は抗えない強い力で腕をひく子豚によって、ドアの向こう側へと引き込まれてしまった。
これが全部夢だったらいいな。
もう夢って事にしよう。
ついに現実逃避に走った由紀は目を瞑った。
そのドアが不思議の国へと繋がる入り口だとは露とも知らずに。
風に吹かれながらゆらゆらと子豚と共に空中を飛んでいる。こどもの日の鯉のぼりになった気分だ。
こりゃあ、トップニュースになるわ、私。間違いない。
次から次へと起こる不可思議な出来事に由紀の頭は混乱していた。
そんな彼女をよそに、子豚は何やら空中で指を動かし、円を描く。
それは、やがて立体となり、中央に白いマシュマロがくっ付いた洋風ワッフルのような一見お菓子にしか見えない美味しそうな物体が出来上がった。
そして子豚は、白いマシュマロをドアの取ってのように掴んで右に引くすると、ワッフルも連動して右に動いた。
どうやらお菓子ではなく、お菓子に似たドアのようだった。
怖っ!
彼女は思わず、眼を疑った。
ドアの向こうには、果てしなく広がる星空が存在していたのだ。
まさか、この中に飛び込む気?
いやまさかよね....(笑)
頼むからやめてくれよと懇願するような目付きで、隣の子豚を見る。
その、まさかだった。
叫び声は上げないが、恐怖一色に染まった彼女は抗えない強い力で腕をひく子豚によって、ドアの向こう側へと引き込まれてしまった。
これが全部夢だったらいいな。
もう夢って事にしよう。
ついに現実逃避に走った由紀は目を瞑った。
そのドアが不思議の国へと繋がる入り口だとは露とも知らずに。