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僕らの歪な経験値

第2章 齧る

翔 side







智「あれれー?俺の折り紙ちゃんと飾ってくれてんじゃん!」



コナンかよ。



ってか!やばい!



お茶とお菓子を用意して部屋に持って来たら大野が騒いでいた。



俺は大野が時々俺の机に置いている折り紙を部屋の一角に飾ってたんだ。



智「俺が取ってあげたぬいぐるみもあるー!」



それは大野がユーホーキャッチャーで取ってくれたぬいぐるみ。



見せるつもりなんて無かったから、片付けるの忘れてた。



智「反応ないから折り紙いらないのかと思ってた。また作って置いとくね!」



え?置いてくれるの?



最近無いから寂しかったんだよね。



反応無いからだったのか。



今度からちゃんと反応しよう!うん!







その後も適当に雑談しながら菓子とか喰ってたんだけど。



翔「あ!何こんなにのんびりしてんだ!遊びに来てもらった訳じゃないんだぞ!」



智「俺、遊びに来たんじゃないの?」



翔「ちっ違う!あなた脅されてるんだぞ!」



大野がそうだった!という顔をして、手に持ってるお菓子を平らげた。



智「モグモグ。それで?俺は何すればいいの?」



ど、どうって。



翔「わわわ!なんだよ!」



気が付けば大野が俺の間近にいた。



こんなに近くに大野がいる。



智「近づいた方がいいかなって」



ここでもふにゃんと笑う大野に、1つも触ることのできない俺。



ゆっくり手を伸ばしてみる。



その手がどんどん大野に近づく。



触れる。触れる。



触れちゃう。










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