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~羞恥学園~

第9章 笠原君




「すげぇ怒鳴られてたけど…どうだった?」


「どうしよ…ふぇッ…卒業するまで帰れない…」


「電話の使用時間は終わりだ。もう就寝の時間になるから部屋に戻りなさい」


事務員にスマホを取り上げられて笠原君に促されて私は泣きながら部屋に戻った。


「はぁ…あー……親説得出来ないんじゃな……ここ自主退学の許可おりねぇと送迎車来ねぇし」


この学校の場所は昔刑務所だった場所で脱走者が出ても人のいるところに辿り着けない様に山の奥深くに建てられている。


車がない限りここから絶対に出る事は無理だった。


年に一度親から申請があった人だけ年末年始は帰宅する事が出来るけどあのお父さんの様子じゃそれすら叶わない…。



このままじゃ…ずっとこんな生活が続いてしまう。



笠原君は頭を抱えて一生懸命どうすればいいか考えてくれてる。


「…悪い。ここから出る方法何も思い付かねぇ…」

「ううん…私の問題なのに考えてくれてありがとう…」

「……あのさ、大した事出来ねぇかもしれないけどここから出られるタイミングが見つかるまで俺、佐倉の事支えるから」

「ありがとう…でも…私に関わると笠原君の立場も悪くなっちゃうし…迷惑掛けられないよ」



すると笠原君は私の手を握った。



「いいから俺の事頼れよ。俺実は…」



~♪



「あっ!電気消してベッド入らなくちゃ…わっ…」



就寝の時間のチャイムが鳴り響いてこの音が鳴り終わるまでに電気を消してベッドに入っていないと罰則がある。


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