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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「セイヤ、私は神に選ばれた人間なのだよ」

「えっ……?」


 急にわけのわからないことを言い出した社長に、戸惑いを隠せない。


「すでに人間離れした能力は持っているんだ。お前もさっき体験しただろう、あの男に襲われる前に何かに足を引っ張られる感覚を」

「えっ……? あれは……」

「私がやったんだ。私は幼い頃から、サイコキネシスが使えてね、その能力は未だ衰えていない」

「!」


 サイコキネシス──!?
 物に触れずに、念で物を動かせるという超能力……!


「そんな私がジッパー様の血を体内に入れたらどうなるのか、興味があった。死ぬのか、なり損ないになるのか、それとも人の姿のままジッパー様の能力を受け継ぐのか……。後者になる可能性はゼロじゃない」
 

 まさか……今まで男たちを実験体にしたのは、どんな反応になるかを知るためだった!?


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