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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「そうだ。私は当時『神に選ばれた人間』として世間に崇められていた。しかしある事件をきっかけに、奈落の底に突き落とされたのだ」

「ある事件?」

「強盗犯発砲事件ですね。確か伊崎社長の家に強盗が入って、トオル様が人質にとられたんですよね。それでトオル様は正当防衛として超能力を使って、犯人が持っていた銃で強盗犯を撃ったのです」

「!」

「その後も危ない目に合うたび、トオル少年は超能力を使ってその場を切り抜けました。ついには口論になったクラスメイトにまでもその力を使い、トオル少年は人々から『化け物』と恐れられるようになったのです」

「……っ!」


 まさか社長にそんな過去があったなんて……。


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